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こどもには沢山の体験を (2012年)

はじめに

  だいぶ以前から、こども達の運動神経の低下を危惧する声を聴くようになった。ちょっとした凸凹のある道を歩くとすぐ転ぶ、鉄棒や雲悌などのような昔からある遊具を使っていて、落ちて怪我をするなど。再発防止策を行えるところは行っているが、もう少し上手に転ぶとか、少し位の高さから落ちても、怪我をしないで済むようにできないものかと思う。それには、もっとこどものときから、多くの生活体験をさせてあげるべきではないか。 

  多くの生活体験はこどもを精神的にも、体力的にも逞しくさせ、人間的にも大きくさせ、怪我の発生も少なくできるのではないだろうか。ひいては怪我だけでなく多くのリスク(怪我のみならずあらゆる危険)回避にもつながるのではないだろうか。 

外に出て遊ばない、お手伝いが少ない

  最近のこども達の生活は幼稚園、保育園、小学校などでの集団生活が終って、自宅へ帰ってからは、屋内での過ごし方が中心のようだ。ゲーム、テレビ視聴、塾通い、稽古事など、どれをとっても殆どが屋内。外で遊ぶことが少ない。かつ、市街地では公園や空地も限られている為、外で遊ぶ機会も少なくなっている。さらに、こども達の余裕が無いことや、家族は外部の仕事が中心の為、傍に居てお手伝いさせることも少なくなっている。また、子どもたちにお使いなどを頼みたくても、最近のような交通事情では危険が伴うので控えめになってしまう。このようにこども達は自ら動いて活動するような機会が少なくなっている。

体験を多くすることは失敗を少なくする為の訓練でもある

 私たちが何かの行動を起こした場合、すべてがうまくいくことなど、あまり無い。いろいろな失敗を重ね試行錯誤を繰り返しつつ物事が成就して行く。場合によっては失敗して痛い目に遭うだけでなく、他人へご迷惑を掛けたりしながら、何とか成就して居る。このような体験の積み重ねを通じて私たちは人間的にもひとまわりも、ふたまわりも大きくなって行く。

 ところが、こども達に提供されるゲームやテレビ視聴は人間がいろいろと興味本位に作り込んだものだから、こども達の体験によって成長する機会は奪い取られてしまう。 

 一方、外遊びや、お手伝いは、何が障害となって出て来るかはその場になって見ないと判らない。その都度考え対応しなければならない。危険な場所もあろうし、必要とするものが無かったり、困難にぶつかりもする。このようにして私達は多くの体験の積み重ねを通じて危険や失敗を経験して、人間的にも大きく膨らんで行く。さらに、社会全体が過度に安全に配慮するあまり、あれも危ない、これも危ないと排除する傾向にある。 

体験の積み重ねこそ最大の教育

  こども達は様々の体験を通じて人間的に成長していくことを述べた。勿論、勉強も塾も稽古事も大事であるが、体験を伴わない単なる知識だけよりも、体験を重ねることにより実行力の伴った行動が実現出来る。

  体験の機会を多くする手段としては、家庭生活のみならず、旅行やキャンプなど外へ出て行くことも良い機会ではないか。キャンプなどは家庭と違って制約が多く、その中で、種々臨機応変の対応が短期間に求められるので、よい体験が出来る。

  動物の生態の例を引き合いに出して申し訳ないが、家畜よりも野生種の方が、同じ種類でも脳も大きく脳の溝も深いそうだ。子どもたちから野生というか、逞しさを取り除いてしまう方向へ、社会全体で行っていないだろうか。野生種は逞しさが違う。例えば猪と豚は同じ種類であるが前者は豚の野生種である。

参考資料: 岩波新書 河合雅雄著 「こどもと自然」